私は若い頃フリーターをしていました。
専門を出て、就職活動をせずにそのままフリーターになりました。
学生の頃から自分に自信がなく、正社員で働くという選択肢は自分の中になかった。
いろんなアルバイトをしていたけど、ひとつだけすごく好きな職場があった。
化粧品の工場です。
小さな工場で機械の洗浄組み立てから、化粧品の製造、箱詰めまでやっていた。
入ったときは、仕事も同じことだけやってればいいわけでもなく、
。
化粧品の種類も大量にあったし、一つ一つ詰め方やロットの打ち方など違うルールがあった。
それを一緒に働くおばさんたちはすべて把握していて、どのポジションも誰でも出来る状態だった。
はじめは目が回る忙しさで、言われたことだけやるので精一杯。
しかもおばさんたちこわい。
黙々とやってればいいわけでもなく、声を出さないとダメな感じで…
今思うと自分よくやっていたな。
なかなか不景気だったので、やっと見つけたバイト先で辞めるという選択肢もなく、一日一日を耐えるんだと、言い聞かせ続けていた。
そんなとこでも1年もいるとほぼ仕事は覚えられた。
一人で新人に指導しながらすべて回せるほどになる。
今より、まともに頭が働いてたおかげもある。
そうなるとおばさんたちも優しくなる。
すごく居心地が良くなった。
ここまで耐えた自分は正解だったし、本当によく頑張ったと思った。
自分は元々細かい作業が好きで、化粧品はアイシャドウや口紅など細かい物も多く、小さなホコリひとつもNGな環境なので、おおざっぱなおばさんたちは不良品をたくさん出すこともあり、細かいこと好きな私の性格はそういうところで重宝された。
細かくて面倒くさいことは、やっといてとお願いされることも多かった。
必要とされるようになり、とても嬉しかった。
体調を崩して、休みがちになってしまって辞めたいと言ったときも、辞められたら困るから、休みながらでも良いから続けて欲しいと言われたこともあった。
働いているときは仕事が楽しくて、結婚してもここならずっと続けたいと思ったほどだ。
だけど、不景気で工場は閉鎖になった。
また同じような工場を探そうとも思ったけど、はじめの1年を思い出すと、それもしんどいなと腰が重くなる。
旦那がいて、働かなくても何とかなっているから。
いざとなったらまた、同じような工場を探すことになるだろう。
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